「大学受験の勉強を始めたいけれど、何から手をつければいいかわからない」
「勉強計画を立てても、予定通りに進まない」
「英語と数学、どちらを優先すればいいの?」
大学受験では、このように勉強計画について悩む高校生が少なくありません。
しかし、勉強計画は単に「毎日何時間勉強するか」を決めるだけではありません。
大切なのは、
「志望校合格のために、いつまでに、何ができるようになっていなければならないか」
を考えることです。
私は、偏差値30台から早稲田大学法学部に合格しました。
その後、約20年間にわたって大学受験の指導に携わり、多くの受験生の勉強を見てきました。

筆者が勤めていた予備校の2005年~2020年までの15年間の合格実績。
(選抜なしの誰でもか入れる予備校としては、立派と評価されていたり、職員も誇りを持って指導していました)

指導風景・環境など
(現在はオーナーが高齢を理由に他塾へ譲渡、移転し名前を変えて再出発しています)
その経験から感じるのは、勉強時間そのものよりも、
「今やっている勉強が、合格するために必要な勉強になっているか」
を確認することの重要性です。
この記事では、大学受験の勉強計画を、
年間 → 月間 → 週間 → 1日
という順番で具体化する方法を紹介します。
さらに、計画が予定通りに進まないときの修正方法や、基礎固め・問題演習・過去問・復習をどのようにつなげるかについても解説します。
大学受験の勉強計画を立てる7つの手順
大学受験の勉強計画は、次の7つの手順で考えると整理しやすくなります。
- 志望校と受験科目を確認する
- 現在の学力と合格までの距離を確認する
- 入試日から逆算して大きな期限を決める
- 年間の学習を時期ごとに分ける
- 月ごとの目標を決める
- 週間・1日の勉強に落とし込む
- 定期的に計画を見直す
ポイントは、いきなり「明日は英語2時間、世界史1時間……」と決めないことです。
まず大きな目標を決め、そこから徐々に細かくしていきます。
1.まず志望校と受験科目を確認する

勉強計画を立てる前に、最初に確認したいのが志望校です。
なぜなら、大学や学部によって、
- 必要な科目
- 配点
- 試験形式
- 問題の難易度
- 記述・論述の有無
- 共通テスト利用の有無
などが異なるからです。
例えば、私立大学と国公立大学では必要な科目数が大きく違う場合があります。
また、同じ英語でも、
「長文中心なのか」
「文法問題が多いのか」
「英作文が必要なのか」
によって、勉強の重点は変わります。
したがって、
「大学受験だから、とりあえず全部の科目を同じように勉強する」
という考え方ではなく、
「自分の志望校に合格するために何が必要なのか」
を最初に確認しましょう。
2.現在の学力と合格までの距離を確認する
次に、自分の現在地を確認します。
ここでは模試の偏差値だけを見る必要はありません。
例えば、
- 英単語はどこまで覚えているか
- 英文法はどこまで理解できているか
- 英語長文をどの程度読めるか
- 数学の基礎問題は解けるか
- 現代文の文章を正確に読めているか
- 世界史・日本史の知識にどれくらい穴があるか
などを確認します。
ここで重要なのが、
「できていること」と「できていないこと」を分けること
です。
勉強計画は、苦手なところを全部並べるだけではありません。
「何を優先的に改善するのか」を決めるために作ります。
3.入試日から逆算して大きな期限を決める

現在地がわかったら、次に入試本番から逆算します。
例えば、
入試本番
↓
過去問・志望校対策
↓
問題演習・実戦力強化
↓
基礎固め
↓
現在
というように考えます。
ここで重要なのは、最終目標を「入試当日に合格すること」にすることです。
例えば、
「英単語を覚える」
だけでは目標として不十分です。
最終的には、
「入試本番で英語の問題を解いて得点できる状態にする」
必要があります。
だからこそ、
知識を覚える → 問題を解く → 自力で答えを再現する
という流れを計画に組み込むことが大切です。
4.大学受験の年間スケジュールを考える

大学受験の勉強を大きく分けると、次のような流れになります。
基礎固めの時期
まずは、
- 英単語
- 英熟語
- 英文法
- 数学の基本事項
- 国語の基礎
- 世界史・日本史の基本事項
など、各科目の土台を作ります。
この時期は、焦って難しい問題ばかりに取り組む必要はありません。
基礎が不十分なまま問題の難易度だけを上げても、効率が悪くなります。
演習を増やす時期
基礎が身についてきたら、問題演習を増やします。
ここでは、
「知っている」から「使える」へ
変えていくことが重要です。
例えば英単語なら、単語帳を見て意味がわかるだけではなく、長文の中で意味を判断できることが重要になります。
世界史や日本史なら、用語を覚えるだけではなく、問題を見て正解を導けるようにします。
志望校対策の時期
基礎と演習が進んだら、志望校の出題傾向を意識した勉強へ移行します。
ここでは、
- 過去問
- 志望校別問題
- 記述・論述対策
- 時間配分
- 苦手分野の補強
などを行います。
過去問を解くこと自体が目的ではありません。
過去問を通して、
「自分に何が足りないのか」
を見つけることが重要です。
5.月ごとの勉強計画を作る

年間計画ができたら、次は月ごとの目標に分解します。
例えば、
4月
- 英単語の基礎を進める
- 英文法の基礎を固める
- 世界史・日本史の全体像を把握する
- 現代文の読み方を身につける
5月
- 英文法を完成に近づける
- 英語長文の演習を始める
- 世界史・日本史の問題演習を増やす
- 現代文の問題演習を継続する
6月
- 基礎事項の弱点を確認する
- 英語長文の演習量を増やす
- 社会の弱点を重点的に復習する
- 模試の復習を行う
というように、月単位で目標を設定します。
ただし、これはあくまで一例です。
受験生によって現在の学力や志望校、受験科目は違います。
重要なのは、
「○月までに何をできるようにするか」
を決めることです。
6.週間計画に落とし込む
月間目標が決まったら、1週間の勉強に分解します。
例えば、
今月の目標:英語長文を安定して読めるようにする
なら、
月曜日:英単語+英文法+長文
火曜日:英単語+英文法+長文復習
水曜日:英単語+長文+復習
木曜日:英単語+英文法+長文
金曜日:英単語+長文復習
土曜日:長文演習+復習
日曜日:1週間の総復習
というように具体化できます。
ここで大切なのは、
「勉強した時間」ではなく「何をできるようにするか」
を意識することです。
7.1日の勉強計画は細かくしすぎない
1日の予定を作るとき、分刻みのスケジュールを作りたくなる人もいます。
しかし、
「17:00〜17:25 英単語」
「17:25〜17:55 英文法」
「17:55〜18:20 現代文」
というように細かく設定しすぎると、予定が少し崩れただけで、その後の計画も全部崩れてしまいます。
そこでおすすめなのが、
「今日必ずやること」を決める方法
です。
例えば、
今日の必須事項
- 英単語100語
- 英文法問題30問
- 英語長文1題
- 世界史問題30問
- 現代文1題の復習
という形です。
時間だけでなく、具体的な学習内容を決めておくと、達成度を確認しやすくなります。
大学受験の勉強時間は何時間必要?

「大学受験では1日何時間勉強すればいいですか?」
という質問をよく受けます。
しかし、私は勉強時間だけを目標にすることはおすすめしません。
例えば、
「今日は10時間勉強した」
としても、その10時間で何を身につけたのかが重要です。
逆に、
「今日は5時間だったけれど、苦手だった英語長文を自力で解けるようになった」
のであれば、大きな前進です。
もちろん、大学受験では一定量の勉強時間を確保することも重要です。
しかし、
勉強時間 × 勉強内容 × 集中度
を考える必要があります。
「何時間勉強したか」だけでなく、
「今日、何ができるようになったか」
を確認するようにしましょう。
勉強計画では「優先順位」を決める

受験勉強では、やるべきことがたくさんあります。
だからこそ、全部を同じ優先順位にしてはいけません。
私は次の3つに分けることをおすすめします。
最優先
今の成績を上げるために、すぐ取り組む必要があるもの。
重要
合格のために必要だが、最優先事項が終わってからでもよいもの。
後回し
今の段階では優先度が低いもの。
例えば、英語の基礎が十分にできていないのに、難関大学の英語長文ばかり解いているのであれば、計画を見直す必要があります。
勉強計画とは、
「全部やるための予定表」ではなく、「限られた時間で優先順位をつけるための設計図」
だと考えてください。
勉強計画に「復習時間」を必ず入れる
勉強計画を作るときに、意外と忘れられやすいのが復習です。
新しい問題を解く予定ばかり入れて、復習の時間がなくなってしまうケースがあります。
しかし、間違えた問題をそのままにしていては、同じ間違いを繰り返してしまいます。
そこで、
演習 → 間違いを確認 → 原因分析 → 解き直し → 自力で再現
という流れを計画の中に入れます。
私自身、大学受験の勉強では「再現性」を大切にしていました。
授業を聞いて理解するだけではなく、
「解答用紙に、自分の力でそれを再現できるか」
を重視していたからです。
この考え方は、勉強計画にもそのまま当てはまります。
「問題を解く時間」だけでなく、
「できなかったことをできるようにする時間」
を確保しましょう。
詳しい復習方法はこちらの記事で解説しています。
*「大学受験の復習方法」
→「大学受験の復習方法|間違えた問題を得点力に変える7つの手順」
計画が予定通りに進まないときはどうする?

大学受験の勉強計画は、予定通りに進まないことがあります。
これは珍しいことではありません。
問題なのは、計画が崩れたことではなく、
「崩れた計画をそのまま放置すること」
です。
例えば、
「英語長文を3題やる予定だったけれど、2題しかできなかった」
のであれば、
「明日は全部取り戻そう」
と考えるのではなく、
「なぜ1題できなかったのか?」
を確認します。
- 予定時間が短すぎた
- 問題が難しかった
- 復習に時間がかかった
- 他の科目に時間を使った
- 疲れて集中できなかった
など、原因を考えます。
そして、次の週の計画を修正します。
計画は「守るもの」ではなく「修正するもの」
勉強計画を立てるとき、
「一度決めた計画は絶対に守らなければいけない」
と考える必要はありません。
むしろ、大学受験の勉強計画は、
実際に勉強してみて修正するもの
です。
例えば、
「この問題集なら1週間で終わると思っていた」
↓
実際には2週間必要だった
↓
計画を修正する
ということがあります。
これは失敗ではありません。
実際に勉強したことで、自分に必要な時間がわかったからです。
模試の結果が出たら勉強計画を見直す

模試は、順位や偏差値を見るだけではありません。
勉強計画を修正するための材料として使います。
例えば、
「英語の偏差値が低い」
という結果だけでは不十分です。
さらに、
- 単語が不足している
- 文法が不十分
- 英文構造が取れていない
- 長文を読むスピードが遅い
- 設問処理に時間がかかる
など、原因を探ります。
そして、
「次の模試までに何を改善するか」
を決めます。
これができると、模試が単なる成績表ではなく、次の勉強計画を作るための材料になります。
科目別の勉強計画も「全体像→演習→弱点→復習」で考える
私が受験指導で大切にしてきた考え方は、科目が変わっても基本的には同じです。
英語

単語・熟語・文法などの基礎
↓
英文構造の理解
↓
長文演習
↓
間違いの分析
↓
復習・再現
英語長文については、こちらの記事で詳しく解説しています。
*「大学受験の英語長文の読み方」
→大学受験の英語長文の読み方|読めない原因と得点につながる7つの手順
現代文
文章を読む
↓
筆者の一番言いたいことを探す
↓
設問を解く
↓
本文の根拠を確認する
↓
要約・解き直し
現代文の具体的な勉強法についてはこちらで解説しています。
*「大学受験の現代文の勉強法」
→大学受験の現代文の勉強法|筆者の一番言いたいことをつかむ7つの手順
世界史・日本史

全体像を把握する
↓
問題演習
↓
覚えづらい部分を発見
↓
重点的に復習
↓
問題を自力で解ける状態にする
歴史科目では、最初からすべてを完璧に覚えようとするより、まず全体を把握してから問題演習を行い、自分の弱点を見つける方法も有効です。
詳しくはこちらの記事で解説しています。
*「大学受験の世界史・日本史の勉強法」
→大学受験の世界史・日本史の勉強法|覚えづらい一割を攻略して得点力を伸ばす方法
私が実践してきた「覚えづらい一割」を勉強計画に取り入れる

私は暗記をするとき、
「覚えづらい一割を探し続ける」
という考え方を大切にしてきました。
例えば、100個覚える必要があるとして、最初から100個を何度も均等に復習するのではありません。
何度も勉強していると、
「これはもう覚えている」
というものが増えてきます。
一方で、
「なぜか何度やっても覚えられない」
というものが残ります。
そこが、自分にとっての「覚えづらい一割」です。
その部分を重点的に復習する。
そして、また覚えにくい部分を探す。
この繰り返しによって、効率よく知識を固めていきます。
この考え方は、勉強計画にも取り入れられます。
毎週の終わりに、
「今週できなかったことは何か?」
を確認してください。
そして、翌週の計画にその弱点を組み込みます。
これだけでも、計画が単なる予定表ではなく、自分の弱点を克服するための計画に変わります。
大学受験の勉強計画でやってはいけない5つのこと
1.最初から完璧な計画を作ろうとする
最初から1年間の予定を細かく決める必要はありません。
大きな方向性を決めたら、実際の進み具合を見ながら修正しましょう。
2.勉強時間だけを目標にする
「10時間勉強する」だけではなく、
「英単語を覚える」
「長文を1題解いて復習する」
など、成果も目標にしましょう。
3.全部の科目を均等に勉強する
苦手科目や配点の高い科目など、優先順位を考えます。
4.復習を計画に入れない
新しい問題を解くだけではなく、間違えた問題をできるようにする時間も確保します。
5.計画が崩れたら全部やり直す
計画が崩れても、すべてを最初から作り直す必要はありません。
原因を確認して、次の週から修正しましょう。
大学受験の勉強計画テンプレート

最後に、実際に使いやすい形にまとめます。
年間計画
最終目標:
志望校合格
基礎固め:
○月〜○月
問題演習:
○月〜○月
志望校対策:
○月〜○月
過去問演習:
○月〜入試本番
月間計画
今月の最重要目標:
「○○をできるようにする」
英語:
- ○○
- ○○
国語:
- ○○
- ○○
数学:
- ○○
- ○○
社会・理科:
- ○○
- ○○
今月克服する弱点:
- ○○
- ○○
週間計画
今週の最重要目標:
「○○をできるようにする」
月: ○○
火: ○○
水: ○○
木: ○○
金: ○○
土: ○○
日: 1週間の復習・計画修正
1日の計画
今日の必須事項
□ 英単語
□ 英文法
□ 英語長文
□ 現代文
□ 世界史・日本史
□ 前日の復習
今日できるようになったこと
「 」
今日できなかったこと
「 」
明日の計画で修正すること
「 」
この最後の3項目まで記録すると、勉強計画の精度が徐々に上がっていきます。
まとめ|大学受験の勉強計画は「合格から逆算」しよう

大学受験の勉強計画を立てるときに大切なのは、単純に勉強時間を決めることではありません。
重要なのは、
「入試本番で合格するために、今何をするべきなのか?」
を考えることです。
今回紹介した流れをもう一度確認しましょう。
- 志望校と受験科目を確認する
- 現在の学力と合格までの距離を確認する
- 入試日から逆算する
- 年間の学習計画を作る
- 月ごとの目標を決める
- 週間・1日の勉強に落とし込む
- 定期的に計画を見直す
そして、もう一つ大切なのが、
「計画を実行した結果を、次の計画に反映させる」
ことです。
勉強してみて初めて、自分に必要な時間や苦手分野がわかることもあります。
だからこそ、計画は一度作って終わりではありません。
計画 → 実行 → 確認 → 修正
を繰り返してください。
私自身、偏差値30台から早稲田大学法学部を目指して勉強した経験、そして約20年間の受験指導経験を通して、勉強で大切なのは「やったつもり」ではなく、実際にできるようになったかどうかだと考えてきました。
勉強計画も同じです。
「予定通り勉強したか」だけを見るのではなく、
「昨日できなかった問題が、今日は自力で解けるようになったか」
を確認してください。
その積み重ねが、最終的な得点力につながります。
大学受験の勉強法をさらに詳しく知りたい方へ
勉強計画を立てたら、次は「何をどのように勉強するか」が重要になります。
大学受験全体の勉強の進め方については、こちらの記事で詳しく解説しています。
▶ 大学受験の勉強法を徹底解説|成績を伸ばす勉強の順番と科目別対策
計画を立てるだけで終わらせず、
計画 → 勉強 → 演習 → 復習 → 再現
までつなげていきましょう。
FAQ
Q1.大学受験の勉強計画はどうやって立てればいいですか?
志望校と入試科目を確認したうえで、入試本番から逆算して年間計画を作り、そこから月間・週間・1日の計画へと細かくしていく方法がおすすめです。
Q2.大学受験の勉強はいつから始めればいいですか?
できるだけ早く基礎固めを始めることが重要ですが、開始時期によって計画は変わります。現在の学力と志望校との距離を確認し、残された期間から逆算して優先順位を決めましょう。
Q3.大学受験では1日何時間勉強すればいいですか?
必要な勉強時間は学年、現在の学力、志望校、受験科目などによって変わります。時間だけを目標にするのではなく、「その日に何をできるようにするか」を決めることが重要です。
Q4.勉強計画が予定通りに進まないときはどうすればいいですか?
計画が崩れた原因を確認し、次の計画を修正しましょう。予定通りに進まないこと自体を失敗と考える必要はありません。実際の学習結果を次の計画に反映させることが大切です。
Q5.大学受験の勉強計画に復習時間も入れたほうがいいですか?
はい。新しい問題を解くだけではなく、間違えた問題を解き直して、自力で正解を再現できるようにする時間も計画に入れましょう。

この記事を書いた人(まな坊)
大学受験指導経験約20年。
自身も受験生時代に偏差値30台から早稲田大学法学部に合格。
その後、予備校で大学受験生の指導に携わり、幅広い学力層の生徒を支援してきた。
勤務していたのは、1学年50〜60名ほどの小規模な予備校。入学時の学力による選抜を行わず、東大を含む国立大学の上位校、医学部、早稲田・慶應などへの合格者を送り出してきた。
自身の受験経験と約20年間の指導経験をもとに、大学受験の勉強法や学習サービスの活用方法を発信している。
